02-08A もんべつ海の学校

目視観測

 「もんべつ海の学校」では、2022年1月より、独自に海氷観測を実施しています。

 これは、氷海展望塔オホーツクタワーによる海氷観測が紋別市発注の「オホーツクプログラム構想促進事業」において業務仕様書通りに業務が行われていないばかりか、過年度報告書(2014~2021年)との整合性が取れていない報告が2022年以降なされているため(紋別市情報公開条例を用いて報告書を確認50か所以上の不備と業務不履行状態を確認)です。

 これ以上の質の低下と過年観測との整合性をとるため。また、観光で訪問する方々への情報発信(2014~2021年まで実施)をするために行ってます。

 当団体では、海洋調査のプロフェッショナルとして20年、海氷観測を担当して7年の経験を持つ担当者が気象庁「海氷観測マニュアル」に従って実施しています。

 本観測は、海上保安庁「海氷情報センター」様からご依頼を受けて実施しております。

図ー1 紋別公園(観測場所)

 1956年から66年続いた紋別の海氷観測の灯を消してはならないという意志の元、また、気象庁が「流氷初日」および「流氷接岸初日」だけの公表に限定し、紋別市も準じたため、過年度統計資料との整合性を保つために「もんべつ海の学校」で実施することとしました。

 観測場所は、標高80mの紋別公園です。吹雪や除雪の関係で行けない際には、紋別市民会館前から観測を実施することにしています。

 流氷の統計量は、1956年から2007年まで紋別測候所、紋別測候所がアメダスに更新された後は目視観測が行われなくなったため、氷海展望塔オホーツクタワーで観測が行われています。過年度との整合性が取れないため、2022年より「もんべつ海の学校」による海氷観測を実施しています。

表ー1 流氷観測の統計量一覧

 流氷初日および流氷終日の推移です。

 流氷初日はだんだん遅くなる傾向、流氷終日はだんだん早くなる傾向が見られます。1956年と比較すると流氷初日が約10日遅く、流氷終日が約20日早くなっています。

 紋別市では、2021年シーズンより流氷終日の公表を辞めています。

図ー2 流氷初日および流氷終日

 流氷期間は、流氷初日が遅く、流氷終日が早くなる傾向を反映して、身近くなっています。1956年と比較すると約30日身近くなっています。最も短かったのは、2009年23日で流氷初日が2月5日、流氷終日が2月27日でした。

図ー3 流氷期間

図ー4 流氷量

図ー5 流氷勢力

港内の結氷

 当団体では、日々の流氷量の観測の他にも、港内結氷にも着目した観測を実施しています。これは、1992年当初と比較して港内結氷期間が短くなっていると感じているからです。

図ー6 港内結氷

図ー7 弁天岸壁

図ー8 第1船溜

図ー9 第2船溜

図ー10 第1埠頭

図ー11 中央船溜

図ー12 第2埠頭

図ー13 第3船溜

図ー14 第3埠頭

図ー15 港南岸壁

図ー16 第4船溜

図ー17 第5船溜

図ー18 港内の概況

流氷分布図の作図

レーダー解析図

 「もんべつ海の学校」では、エクセルのマクロを用いて、公表されている解析図をBMP形式で取り込み、画像のピクセルの色データーをRGBで取得し、ある一定の条件の色を流氷帯と識別し、情報を取得します。

 ピクセルデータの座標は、レーダー観測地点を(X0,Y0)=(0,0)としてX座標およびY座標として取り込み、氷海展望塔オホーツクタワーの地点を(X1,Y1)=(0,0)に換算、取得された色データーを新座標系で取得しなおし解析に用いています。

 現在、再現性の確認を行っています。

影像ー1 流氷分布抽出マクロ

人工衛星画像

 東海大学の人工衛星の画像
 母校である東海大学の「東海大学情報技術センター/宇宙情報センター」様の公表されているデータを用いて流氷分布図を作成しています。

図ー19 衛星画像

 公表されている様々な海氷情報と当団体の独自観測結果を総合して、海氷分布図を作成しています。
 沿岸の風向・風速は気象庁の観測記録を使用しています。
 流氷分布図の作成には、人工衛星解析図(東海大学情報技術センター/宇宙情報センター)、気象観測衛星ひまわり(気象庁)、海氷情報センター(第一管区海上保安本部)、大山山頂ドップラーレーダー解析図(紋別市)を利用しています。

図ー20 流氷分布図

 「もんべつ海の学校」の海氷観測資料は、「海氷情報センター」の依頼を受けて観測しています。結果は海氷速報に生かされています。

図ー21 海上保安庁「海氷情報センター」

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