02-07 極域の海氷

 北半球と南半球では、氷海域の分布が大きく異なります。

 南極は、皆様ご存じのとおり、南極大陸を中心とした棚氷に覆われた氷が分布し、それを取り巻くように多年氷が分布しております。

 北極は大陸が無く多年氷が多い、近年では多年氷の面積が小さくなり、海氷面積が減少していることから北極海航路が話題になるなど地球環境の変化の影響を受けていると各国が研究を進めています。

 なお、図およびグラフに用いた資料は、気象庁HPを使わせていただきました。
「北極と南極の海氷分布図

図-1 南極と北極の海氷分布

 図を見ると、北海道周辺の海が最も南に位置する凍る海であることがわかります。北極圏の海氷面積は、近年、夏になると著しく減少し、多年氷の面積が小さくなっています。

北半球

 北極域の海氷域面積は、1979年以降長期的に減少しています。

 特に、年最小値は減少が顕著で、1979年から2021年まで1年当たり8.9[7.6~10.2]万km2の減少しています。この値は北海道の面積(8.3万平方km2)に匹敵します(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)。

 2021年の年平均値は1979年の統計開始以降8番目に小さく、年最大値と年最小値はそれぞれ7番目、12番目に"小さくなりました。

図-2 北極の海氷分布の推移

南半球

 一方、南極域における海氷域面積の年最大値には、1979年以降長期的な増加傾向がみられ、1979年から2021年まで1年当たり1.4[0.3~2.5]万平方km2の増加となっています。

 気象庁によれば、北半球において1979年から2021年までの間に、1年あたり 北海道と同じくらいの面積の海氷が減少していると言います。

図-3 南極の海氷分布の推移

北極海航路

これにより、北極海航路が注目されています。

 北極海航路がスエズ運河航路の代替ルートとして注目される理由は、2つのメリットにあるそうです。
 1つめのメリットは、スエズ運河航路に比べて航行距離が短いこと。例えば、ロッ テルダムから横浜までの航行距離は、スエズ運河航路が11,205海里のところ、北極海航路は7,345海里で、34%も短縮されます。

 そして2つめのメリットは、航路上の難所=チョーク・ポイントがないことです。
 スエズ運河航路にはバーブ・アルマンデブ海峡(紅海からアデン湾に抜ける海峡)、およびマラッカ海峡というチョーク・ポイントがあり、海賊などのリスクを伴うことが知られています。
(https://www.ms-ad-hd.com/ja/mirai/hokkyokukai.html抜粋)

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